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破産制度

第15回破産コラム 再建型手続きの基本、民事再生とは何か?

経済的に行き詰った会社が取りうる法的な手段として、破産や特別清算のような清算型の手続き以外にも、民事再生、会社更生といった再建型の手続きがあります。今回のコラムでは、清算型手続きと再建型手続きの違いに簡単に触れつつ、再建型手続きの基本となる民事再生とは何かについてその概要を解説したいと思います。

清算型と再建型

第13回コラムでも、少し解説しましたが、会社の倒産に関する手続きには、清算型の手続きと再建型の手続きがあり、破産や特別清算は清算型の手続きに分類され、民事再生や会社更生は再建型の手続きとなります。

清算型手続は、債務者である会社の資産を処分・換価し、債権者に分配する手続きになりますので、清算型の手続きを選択した会社は、その手続きによって最終的には会社は消滅することになります。

それに対して、再建型の手続きでは、債務者である会社の事業を再建し、再建された事業から生じる収益を原資として債権者に弁済していく手続きになります。再建型の手続きでは、弁済の原資は事業から生じる収益が基本となるので、会社は基本的にそのまま存続しますし、事業に必要となる会社の資産を処分・換価するということもありません。

民事再生は、再建型手続きの基本形となりますので、会社を清算せずに、経営再建を目指します。

なお、民事再生は、法人でも個人でも、その対象となりますが、会社更生は、その名が示すとおり、会社(株式会社)のみが対象となります。

民事再生について

民事再生とは

民事再生とは、経済的に行き詰まった会社について、現経営者の主導の下、会社債権者等の利害関係者の多数の同意の下に再生計画を策定し、これを遂行することにより、利害関係者の利害を適切に調整しつつ会社の事業の再建を図る手続きとなります。

同じ再建型の手続きである会社更生では、現経営陣は退陣するのが基本となりますが、民事再生では、現経営陣がそのまま経営を続行します。

清算型の倒産手続きの破産と比較すると、会社はそのまま存続しますし、また、民事再生では、現経営陣がそのまま経営を続行ができるため、その意味では魅力的な手続きに映るのではないでしょうか。

ただし、民事再生の適用を受けるためには、その要件を満たす必要がありますし、再生計画について債権者の同意を得る必要があるため、適用を受けるハードルは破産等に比べると当然高くなります。

民事再生の条件

前述のように、民事再生の適用を受けるためには、そのため条件を満たす必要があります。

具体的には、支払不能・支払停止・債務超過のいずれかの状態にあり、かつ、会社の資産全てを処分しても債務が完済できないことに加え、再生計画の許可について債権者の過半数の同意が必要となります。

また、民事再生も、法的な倒産手続きになりますので、破産と同様に、裁判所への申し立てが必要となります。民事再生を申し立てたとしても、裁判所の方で、再生計画の実現性が乏しいと判断されたり、破産や特別清算手続きを選択する方が債権者の利益になると判断された場合には、申し立てが棄却されてしまう場合もあります。

当たり前といえば当たり前ですが、事業が上手くいっていないから民事再生という手段を検討しているが通常ですので、再生計画には、実現性・具体性のある、それ相応の抜本的な対策が必要となります。例えば、資金提供してくれる有力なスポンサーを見つたり、優良部門だけを切り離し、別会社を設立し、事業譲渡を行い、他の不採算部門等は全て清算する等です。

おわりに

今回のコラムでは、清算型手続きと再建型手続きの違いに簡単に触れつつ、再建型手続きの基本となる民事再生とは何かについてその概要を解説しましたが、いかがだったでしょうか。

会社の業績が悪化し、厳しい経営状況にあったとしても、何とか会社を存続させる方法を模索するのが通常の経営者ではないでしょうか。民事再生は、破産と異なり、会社を存続させることが可能であり、さらに、債務を圧縮しながら、現経営陣が引き続き経営を続けることができます。適用のハードルは破産よりも高くはなりますが、適用可能であれば、破産よりまず民事再生を検討したいところです。

民事再生についてお悩みの方は、民事再生も裁判所への予納金が必要となり、ある程度の資金がないと、取りうる選択肢がなくなってしまいますので、お早めに会社の倒産問題に強い弁護士に相談することをおすすめします。

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