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破産制度

第34回法人破産コラム 会社が倒産しそうなとき経営者がまず取るべき行動

資金繰りが厳しくなり、「もう会社が続けられないかもしれない」と感じたとき、経営者の頭の中には様々な不安や疑問が渦巻くのではないでしょうか。「従業員にどう説明すればいいのか」「取引先に迷惑をかけてしまう」「自分や家族の生活はどうなるのか」――こうした悩みで夜も眠れない日々を過ごしている経営者の方も多いかもしれません。

このような状況に追い込まれてしまったとき、焦りや恐怖からつい判断を誤ってしまったり、逆に何も行動できないまま時間だけが過ぎてしまうこともあります。しかし、倒産の危機に直面した際には、取るべき行動の順序や優先順位を理解しておくことが、その後の状況を大きく左右する可能性があります。

今回のコラムでは、会社が倒産しそうなときに経営者がまず取るべき行動について、優先順位を踏まえながら具体的に解説します。

現状を正確に把握する

財務状況の洗い出しを行う

倒産の危機を感じたとき、まず最初にすべきことは現状の正確な把握です。感覚的に「苦しい」と感じているだけでは、適切な対応策を選ぶことができません。

具体的には、以下のような項目を整理する必要があります。

  • 現在の預金残高と今後の入金予定
  • 支払期限が迫っている債務の総額と優先順位
  • 従業員への給与支払いに必要な金額
  • 担保に入っている資産の有無
  • 個人保証や連帯保証の範囲

これらを明確にすることで、「本当に倒産せざるを得ない状況なのか」「それとも一時的な資金繰りの問題なのか」が見えてくる可能性があります。特に北海道の中小企業では、季節による売上変動が大きい業種もありますので、一時的な資金不足なのか構造的な経営難なのかを見極めることが重要です。

冷静に時間軸を見極める

現状把握と同時に、「いつまでに何をしなければならないか」という時間軸を明確にすることも大切です。例えば、給与の支払日や手形の決済日、税金の納付期限など、それぞれの期限を整理しましょう。

この時間軸の把握によって、「今すぐ破産手続きを取らなければならないのか」「それとも数ヶ月の猶予があるのか」が分かり、次の行動を冷静に判断できるようになります。

専門家への早期相談を最優先する

なぜ早期相談が重要なのか

現状をある程度把握できたら、すぐに弁護士などの専門家に相談することを強くお勧めします。「もう少し自分で何とかできるかもしれない」と考えて相談を先延ばしにしてしまう経営者の方も多いのですが、実はこの判断が状況を悪化させてしまう可能性があります。

早期に専門家に相談することで、以下のようなメリットが考えられます。

  • 破産以外の選択肢(民事再生、任意整理など)が残されている可能性がある
  • 従業員や取引先への影響を最小限に抑える方法を検討できる
  • 経営者個人の生活を守るための手段を講じられる
  • してはいけない行動を事前に知ることができる
  • 精神的な負担を分かち合える相談相手ができる

特に法人破産の手続きには専門的な知識が必要であり、経営者が独力で進めることは現実的ではありません。一人で抱え込んでいる時間が長いほど、選択肢は狭まっていく傾向にあります。

相談時に準備しておくべき情報

弁護士に相談する際には、先ほど整理した財務状況の資料を持参すると、より具体的なアドバイスを受けられる可能性が高まります。完璧な資料でなくても構いませんので、分かる範囲での決算書、資金繰り表、債権者リストなどを準備しておくとよいでしょう。

絶対にしてはいけない行動を理解する

特定の債権者だけへの優先弁済

倒産の危機に直面すると、「お世話になった取引先だけには迷惑をかけたくない」という思いから、特定の債権者にだけ優先的に支払いをしてしまうケースがあります。しかし、これは「偏頗弁済(へんぱべんさい)」と呼ばれ、破産手続き上、大きな問題となる可能性があります。

偏頗弁済が行われた場合、破産管財人によってその支払いが取り消され、受け取った側も返還を求められることがあります。結果として、配慮したつもりの取引先に二重の迷惑をかけてしまうことにもなりかねません。

財産の隠匿や不当な処分

また、「少しでも手元に財産を残したい」と考えて、会社の資産を不当に安い価格で売却したり、家族などに名義変更したりする行為も絶対に避けるべきです。こうした行為は破産法上の犯罪行為となる可能性があり、最悪の場合、免責が認められない、つまり借金が残ってしまう結果につながることも考えられます。

経営者として、たとえ倒産という事態に直面しても、誠実な対応を貫くことが、その後の再出発への道を開くことになります。

新たな借り入れ

資金繰りに窮して、返済の見込みがないにもかかわらず新たに借り入れを行う行為も慎むべきです。特に、倒産を避けられない状況であることを認識しながら融資を受けることは、詐欺的な行為と見なされる可能性もあります。

従業員への対応を考える

情報開示のタイミングと方法

従業員への説明は、経営者にとって最もつらい決断の一つではないでしょうか。しかし、従業員も生活がありますので、適切なタイミングで誠実に状況を伝えることが重要です。

一般的には、弁護士と相談しながら、破産申立ての直前に説明することが多いと考えられます。あまり早く伝えすぎると混乱を招く可能性がある一方で、直前すぎると従業員が次の仕事を探す時間がなくなってしまうというジレンマがあります。このタイミングについても、専門家のアドバイスを受けながら慎重に判断する必要があります。

未払い給与への対応

従業員の給与は、破産手続きにおいても優先的に保護される債権です。また、「未払賃金立替払制度」という国の制度を利用することで、一定の範囲内で未払い給与の立替払いを受けられる可能性があります。

札幌をはじめとする北海道内の企業でも、この制度を活用することで従業員への影響を最小限に抑えられるケースは少なくありません。弁護士に相談する際には、こうした制度の利用についても確認しておくとよいでしょう。

おわりに

会社が倒産の危機に直面したとき、経営者には多くの不安と責任の重圧がのしかかります。しかし、適切な順序で行動を取ることで、その影響を最小限に抑え、経営者自身も従業員も、そして取引先も、できる限り傷を浅くすることが可能になります。

最も重要なのは、「早期に現状を把握すること」と「専門家に相談すること」、そして「してはいけない行動を避けること」です。破産は決して人生の終わりではなく、再出発のための一つの手段です。適切な手続きを経ることで、経営者の方も新たなスタートを切ることができます。

当事務所では、法人破産・倒産整理でお困りの経営者の方のご相談を随時受け付けております。初回相談は無料ですので、一人で抱え込まずにまずはお気軽にご連絡ください。経験豊富な弁護士が、あなたの状況に合わせた最善の解決策をご提案いたします。

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