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第40回法人破産コラム 会社破産と社長の連帯保証債務|個人への影響と対策

会社の経営が行き詰まり、「もう破産しかないかもしれない…」と追い詰められた気持ちで毎日を過ごしている経営者の方も、少なくないのではないでしょうか。売上の減少、資金繰りの悪化、金融機関への返済——そうした重圧の中で、ふと頭をよぎるのが「自分が個人で保証している借金はどうなるのか」という不安ではないかと思います。

中小企業の経営者の多くは、会社の借入に対して個人保証(連帯保証)を行っています。会社が破産した場合、その保証債務が個人にどう影響するのかは、経営者にとって最も気になる問題のひとつでしょう。「会社を整理したら、自分の家や財産まで取られてしまうのか」「家族に迷惑をかけることになるのか」と、夜も眠れないほど心配されている方もいらっしゃるかもしれません。

今回のコラムでは、会社破産と社長の連帯保証債務の関係について、法律知識がない方にもわかりやすくご説明するとともに、個人への影響とその対処法について解説します。一人で抱え込まず、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

連帯保証とは何か——会社と個人は「別々の債務者」

法人と個人は別の存在だが、連帯保証で結びついてしまう

株式会社などの法人は、法律上、経営者個人とは別の権利義務の主体です。つまり、会社が負った借金は、原則として会社自身が返済する責任を負うものであり、経営者個人が当然に負担するものではありません。

しかし実際には、中小企業が金融機関から融資を受ける際、銀行や信用保証協会から「社長個人に連帯保証人になってほしい」と求められるケースがほとんどです。この連帯保証契約を結んだ瞬間から、社長個人も会社の借金を返す義務を負うことになります。つまり、会社が倒産・破産した場合でも、連帯保証人である社長個人への請求は続くということです。

連帯保証と通常の保証の違い

「保証人」と「連帯保証人」は、似ているようで法律上の扱いが大きく異なります。通常の保証人であれば「まず会社に請求してほしい」「会社の財産を先に差し押さえてほしい」と主張する権利(催告の抗弁権・検索の抗弁権)があります。しかし連帯保証人にはこれらの権利がありません。債権者は会社への請求と並行して、あるいは会社への請求よりも先に、連帯保証人である社長個人に対して全額の返済を求めることができます。

このことから、会社破産を検討する場合には、社長個人の連帯保証債務についても同時に対策を考えることが非常に重要になってきます。

会社が破産したとき、社長個人はどうなるのか

連帯保証債務は消えない——個人への請求が始まる

会社が破産手続きに入ると、会社の財産は破産管財人によって換価・配当され、最終的に法人は消滅します。しかし、会社の破産によって連帯保証債務が消えるわけではありません。会社に代わって、債権者(銀行など)は連帯保証人である社長個人に対して残債務の全額を請求してくることになります。

この請求に応じられない場合、社長個人の財産(預金、不動産、車など)が差し押さえられるリスクがあります。北海道・札幌の中小企業の経営者の方でも、自宅が担保に入っていたり、個人口座の預金が差し押さえられたりするケースは珍しくありません。「会社を整理したのに、今度は個人の財産まで…」という状況は、できることなら避けたいものです。

社長個人も自己破産が必要になるケースがある

連帯保証債務の金額が大きく、個人資産ではとても返済できないという場合は、社長個人も自己破産(個人破産)を申立てる必要が生じる可能性があります。法人破産と個人破産を同時に進めるケースも多く見られます。

個人破産を申立てた場合、一定の財産(自由財産)は手元に残すことができます。具体的には、現金99万円以下や、生活に必要な家財道具などは原則として処分されません。また、退職金見込額の一部なども自由財産として認められる場合があります。破産=すべてを失うというイメージを持たれている方も多いかもしれませんが、法律の手続きを利用することで、生活の基盤を一定程度守りながら新たな出発を切ることができる可能性があります。

社長の連帯保証債務に対する主な対処法

①法人破産と個人破産を同時に進める

最も一般的な対応のひとつが、法人の破産申立てと社長個人の自己破産申立てを同時に行う方法です。これにより、会社の負債と個人の連帯保証債務をまとめて整理することができます。

弁護士に依頼した段階で債権者への受任通知が送られ、その後は債権者が直接経営者に取り立てを行うことが制限されます。精神的な圧力から解放されるという意味でも、早期に弁護士へ相談することには大きなメリットがあります。

②経営者保証ガイドラインの活用

2014年に策定された「経営者保証に関するガイドライン」は、中小企業の経営者が連帯保証債務を抱えて倒産した際に、一定の条件のもとで残存資産(生活費など)を手元に残しながら保証債務を整理できる仕組みです。自己破産とは異なり、官報への掲載がない、信用情報機関への登録がないなど、いわゆる「ブラックリスト」への影響が生じない可能性がある点が特徴です。

ただし、このガイドラインの適用にはいくつかの要件があり、金融機関の合意も必要です。すべてのケースで利用できるわけではありませんが、会社破産と並行して検討する価値がある手段のひとつといえるでしょう。

③個人再生という選択肢

連帯保証債務の金額が大きいものの、一定の収入がある(または今後確保できる見込みがある)場合には、個人再生手続きも選択肢のひとつとして考えられます。個人再生は、借金の総額を大幅に圧縮したうえで、残りを3〜5年かけて分割返済していく手続きです。自宅などの財産を手放さずに済む可能性もあり、特に自宅に住み続けたい方にとっては検討に値する手続きといえます。

  • 法人破産+個人破産:負債が大きく返済の見込みがない場合に有効
  • 経営者保証ガイドライン:信用情報への影響を最小限にしたい場合に検討
  • 個人再生:一定収入があり、自宅を残したい場合に選択肢となりうる

どの手続きが最適かは、個人の資産状況、連帯保証の金額、今後の生活設計などによって異なります。まずは弁護士に相談し、自分の状況に合った対処法を見極めることが重要です。

早めの相談が「選択肢」を広げる

時間が経つほど状況は悪化しやすい

「まだ大丈夫かもしれない」「もう少し自力で頑張ってみよう」と思いながら、相談のタイミングを先延ばしにしてしまう経営者の方は少なくありません。しかし、資金繰りが悪化した状態での事業継続は、負債をさらに増やし、連帯保証額を膨らませるリスクがあります。また、債権者から差押えを受けてしまった後では、選択できる手続きの幅が狭まってしまうこともあります。

札幌・北海道の中小企業では、季節的な売上変動や建設業・飲食業などの業界特性から、経営が一気に悪化するケースも見受けられます。「おかしいな」と感じた時点で、できるだけ早く専門家に相談することが、経営者自身と家族を守るための最善策になりえます。

破産は終わりではなく、再スタートへの一歩

「破産したら人生終わり」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、破産は法律が認めた正当な手続きであり、過去の負債から解放され、新たな人生を歩むためのリセットボタンでもあります。実際に、会社破産・個人破産を経て、別の仕事や新しいビジネスで再起を果たした方は全国に多くいます。

大切なのは、問題を一人で抱え込まず、正確な情報と専門家のサポートのもとで最善の選択をすることです。あなたがこれまで経営者として積み重ねてきた経験や知識は、破産手続きを経ても決して失われるものではありません。

おわりに

今回のコラムでは、会社破産と社長の連帯保証債務の関係、個人への影響、そして対処法についてご説明しました。連帯保証は、会社と社長個人を強く結びつけるものであり、法人破産を検討する際には個人の債務整理も含めて一体的に考えることが不可欠です。経営者保証ガイドラインや個人再生など、状況に応じた手続きを選ぶことで、生活の基盤を守りながら前に進める可能性があります。

当事務所では、法人破産・倒産整理でお困りの経営者の方のご相談を随時受け付けております。初回相談は無料ですので、一人で抱え込まずにまずはお気軽にご連絡ください。経験豊富な弁護士が、あなたの状況に合わせた最善の解決策をご提案いたします。

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