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第43回法人破産コラム 民事再生とは何か|破産との違いと手続きの流れ

「今月の支払いをどうしようか」「取引先への支払いや従業員の給料を考えると、夜も眠れない」。資金繰りが厳しくなると、そうした不安が頭から離れなくなる経営者の方も多いのではないでしょうか。

そのようなとき、「民事再生なら会社を潰さずに借金を減らせるのではないか」「破産とは何が違うのだろう」「自分の会社はどちらを選ぶべきなのか」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。北海道・札幌でも、原材料費や人件費の上昇、人手不足、冬季の売上変動などが重なり、同じ悩みを抱える中小企業は少なくありません。

今回のコラムでは、民事再生とはどのような手続きか、破産との違い、申立てから再生計画の認可までの流れ、期間や費用の目安、経営権や連帯保証への影響、そしていつ誰に相談すべきかについて解説します。

民事再生とはどういう手続きか

会社を残したまま債務の整理を目指す手続き

民事再生とは、裁判所の関与のもとで債権者(金融機関や取引先など)の多数の同意を得て、借入金などの返済方法を見直し、事業の立て直しを目指す手続きです。具体的には、再生計画を作成し、債務の一部を原則3年、長くても10年程度で分割して返済していく内容が一般的です。残りの債務は、計画が認可され履行されることで免除を受けられる可能性があります。

会社そのものを存続させて事業を続けられる点が大きな特徴です。ただし、借金が自動的に減るわけではなく、事業に収益力があり、計画を実行できる見通しが必要になります。

破産との違い

破産は、会社の財産を換価して債権者に配当し、会社を清算して法人格を消滅させる手続きです。一方、民事再生は会社を存続させます。主な違いは次のとおりです。

  • 目的:民事再生は事業の再建、破産は会社の清算
  • 事業の継続:民事再生は可能性あり、破産は原則として終了
  • 経営者の立場:民事再生は原則として経営を続けられる可能性あり、破産は管財人が財産を管理
  • 必要な条件:民事再生は将来の収益で返済できる見込みが必要

破産は決して「悪いこと」ではなく、負債から解放されて経営者が再出発するための選択肢でもあります。事業の見通しによっては、破産のほうが傷が浅く、次の挑戦につながる場合も考えられます。

民事再生のメリットとリスク

経営権・従業員・取引先への影響

民事再生では、原則として現在の経営者が経営を続けられる「DIP型」と呼ばれる運用がとられます。ただし、裁判所が監督委員を選任し、重要な取引には同意が必要になるなど、一定の制約を受けます。状況によっては、管財人が選ばれる可能性もあります。

従業員の給料(未払分を含む)は、一般に優先して扱われる性質があり、事業を続けることで雇用を守れる可能性があります。ただし、人員整理や労働条件の見直しが必要になる場合もあります。

取引先との関係では、申立て前の債務(再生債権)は原則として自由に支払えなくなり、取引先に影響が及びます。一方、申立て後の新たな取引は継続できる可能性があるため、主要な取引先への説明や協力を得られるかが、再建の成否を左右しやすい部分です。信用不安から取引条件が厳しくなることも想定しておく必要があります。

連帯保証・個人資産はどうなるか

中小企業では、経営者が会社の借入に連帯保証をしているケースが多く見られます。ここで注意が必要なのは、会社の民事再生が認められても、経営者個人の連帯保証債務は当然には減らないという点です。金融機関から個人への請求が続く可能性があります。

そのため、会社の再生とあわせて、経営者個人の債務整理(個人再生や自己破産、経営者保証ガイドラインの活用など)を検討する場合があります。自宅などの個人資産をどう守るかは、事案ごとに結論が異なるため、早い段階で専門家に確認することが大切です。

申立てから再生計画認可までの流れ・期間・費用

手続きの流れと期間の目安

一般的な流れは次のとおりです。

  • 弁護士への相談・事前準備:財務状況の確認、再建の可能性の検討、スポンサー探しなど
  • 再生手続開始の申立て:裁判所へ申立て。保全処分により債権者からの個別の取り立てが抑えられる場合があります
  • 再生手続開始決定:申立てから1週間程度で判断されることが多いとされます
  • 債権調査・財産評定:債権額や会社資産の確認
  • 再生計画案の提出・債権者集会等での決議:債権者の過半数の同意および議決権総額の2分の1以上の同意などが必要です
  • 認可決定・計画の履行:認可後、計画に沿って返済していきます

申立てから認可までは、事案にもよりますが、おおむね6か月から1年程度を要する可能性があります。ただし、申立て前の準備に時間が必要となる場合もあります。

費用の考え方

費用には、弁護士費用のほか、裁判所に納める予納金(監督委員の報酬等を含む)があります。予納金は会社の規模や負債額によって異なり、数百万円以上が必要になることも珍しくありません。したがって、手元資金が尽きる前に動くことが重要です。資金が尽きてからでは、民事再生を選びたくても選べなくなる可能性があります。

自社はどちらを選ぶべきか・いつ誰に相談すべきか

判断のポイント

民事再生が適しているかどうかは、主に次の点から検討されます。

  • 本業で利益(または黒字化の見通し)を出せるか
  • 主要な取引先や金融機関の協力が見込めるか
  • 再生計画に基づく返済を続ける資金力があるか
  • 手続き費用を負担できるか
  • スポンサー企業の支援を受けられる可能性があるか

これらが難しい場合は、傷口が広がる前に破産で清算し、経営者が再出発する道を選ぶほうが、結果的に従業員や取引先、ご自身にとって負担が小さいことも考えられます。どちらが適切かは、数字や事業の実態を見たうえで判断する必要があります。

相談のタイミング

相談は、支払いが滞る前、できれば資金に余裕があるうちが理想です。選択肢が多く残っているほど、再建の可能性も高まります。税理士や顧問の方に相談されている場合でも、倒産手続きに詳しい弁護士へ早めに相談することをおすすめします。弁護士が受任して債権者へ通知を出すことで、取り立てが落ち着く場合もあります。

おわりに

民事再生は、会社を残しながら債務の負担を見直す有力な手段ですが、事業の収益性や関係者の協力、費用面など、満たすべき条件も少なくありません。また、連帯保証の問題など、経営者個人への影響も同時に考える必要があります。再生と破産のどちらにも、それぞれ再出発につながる意味があります。

当事務所では、法人破産・倒産整理でお困りの経営者の方のご相談を随時受け付けております。初回相談は無料ですので、一人で抱え込まずにまずはお気軽にご連絡ください。経験豊富な弁護士が、あなたの状況に合わせた最善の解決策をご提案いたします。

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